1-2 “怠けている”んじゃない。不安を紛らわせるためにゲームをしてた

1-2 1:不登校が始まった頃のこと

はじめに:「ゲームばかりしている子どもを見ると、不安になりますよね」

お子さんが毎日ゲームばかりしていると、つい心配になりますよね。
「このままで大丈夫?」「怠けているだけじゃないの?」と、つい口に出したくなる気持ちもよくわかります。

でも、僕もかつて“その子”でした。
そして、あの時ゲームをしていたのは「楽しみたい」からじゃなくて、感じたくない不安から逃げるためだったんです。


ゲームは“不安から目をそらす”ための避難場所だった

不登校中の僕の一日は、ほとんどゲームと睡眠で埋まっていました。
画面の中にいる時間だけが、心が軽くなる時間だったからです。

学校に行っていないこと。
友達と話していないこと。
勉強が進んでいないこと。

全部わかってるけど、考え始めたら怖くなるんです。
だから、無心でゲームをしていないと壊れてしまいそうだった。


「怠けている」って言われるのが一番つらかった

ある日、母に言われたんです。

「そんなにゲームばっかりしてて、大丈夫なの?」

たぶん心配してくれた言葉だったんだと思います。
でも僕には、「お前は怠けてる」って言われたように聞こえました。

そのときの胸の痛みは、今でも覚えています。
「ちゃんとしなきゃいけないって、自分が一番わかってるのに…」と心の中で叫んでいました。


親にしてもらって嬉しかったこと

そんな僕に対して、父はある日こう言いました。

「ゲームしててもいいよ。疲れてるんだろ?でも、なんか不安になったら話してな」

この一言で、涙が出そうになりました。
“責められていない”というだけで、こんなにも安心できるんだと知りました。

親ができることって、「ちゃんと見守ってるよ」って空気を出してくれることだけでも、子どもには十分なんです。


ゲームを卒業する日は、自然にやってきた

不思議なことに、心が少しずつ落ち着いてきたら、
ゲームに費やす時間も少しずつ減っていきました。

塾に通い始めたり、興味が別のことに移ったりすると、
「ゲームばっかり」だった生活が自然と変わっていったんです。

ゲームをしている時間=回復の時間でもあると、今なら思えます。


ゲームの裏にある“心のサイン”を見逃さないで

もし、あなたのお子さんがゲームに夢中になっているように見えるなら、
それは「逃げたい」んじゃなくて「守りたい」ものがあるのかもしれません。

責めるより、そっと寄り添うことが、一番の近道になることもあります。

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